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創業からまもなく110年を迎えるニシヤマ。お客様の課題に正面から向き合い、誠実に応える姿勢でいたからこそ、信頼を築き長く支持されてきました。その根にあるのは、「お客様のために何ができるか」を考え抜く力と、人と人の知恵を掛け合わせて新しい価値を生み出す力です。
お客様のために革新を続けるニシヤマは、次の時代に向けてどんな未来を描いているのでしょうか。その歩みと、これからの挑戦について、1966年の入社から長年ニシヤマの功績に尽力してきた佐藤顧問に語っていただきました。
1966年 ニシヤマ入社
1988年 開発営業部 部長
1996年 取締役 営業副本部長
2000年 常務取締役 営業副本部長
2001年 常務取締役 営業本部長
2006年 代表取締役 副社長
2011年 顧問

1916年に創業したニシヤマは、2026年に110周年を迎えます。100周年からのこの10年、私たちを取り巻く価値観は大きく変わりました。
当初ニシヤマは、ゴム製品の製造販売をする商社として創業しました。そこから、部品を装置にまで組み立てる「ユニット化」、さらにはITシステムの提供も任せていただけるようになりました。最近では、「ニシヤマさんに全部任せるよ」と依頼されることも増えています。
それは同時に、私たちの責任がより重くなったということでもあります。私が入社した当時から、ガス・電力・鉄道といったインフラ分野のお客様が多くいらっしゃいました。そうしたお客様と一緒に仕事をしていると、自然と仕事に対する責任を自覚します。同時に「自分の仕事が社会の役に立っている」という実感を持つことができるようになりました。
もちろん、以前は上下関係も厳しく、仕事で思うようにいかないときには、強く叱られることもありました。そんなときに大切にしていたのは、「得意冷然、失意泰然」という言葉です。失敗しても成功しても、どちらにも揺れずに落ち着いて先を見据えなさい、という意味です。この言葉を胸に、どんな状況でも自分を見失わないようにしてきました。
それでも自分の気持ちがぶれそうな時は、社内の先輩方、それに他業種の先輩方に、たくさんのことを教えていただきました。「それは違うよ」と率直な意見をいただいたことで、素直に反省できたことがたくさんあります。
そうして一つひとつの仕事に真摯に取り組むうちに実感できたのが、「自分が頑張ると、会社も伸びるんだ」ということです。学生の頃は何も知らなかった自分が、仕事を通じて少しずつ社会に貢献できている。その感覚が喜びになり、自信にもつながっていきました。

私が新入社員だった頃、大型案件を受注したことがありました。当時訪問した暖房機器メーカーの方から、「風呂釜を作ろうと考えているが、石油は手間も危険も多い。安全で扱い易い「ガス風呂釜」を開発したい。ついては、部材の供給で協力してもらえないか」と相談を受けました。のちに言う「バランス型風呂釜」です。その頃は「バランス型風呂釜」という言葉さえ存在していませんでした。
私は、「早速頂いた設計図面から各部品の試作品を作ってみましょう」とすぐに引き受けました。コストやデザイン、材質など、ものづくりにはさまざまな制約があります。実際に手を動かして形にしてみて、初めて次のアイデアが生まれる。答えを見つけられずにいるお客様の手助けすることこそが、私たちの企業価値です。
当時は「提案力」という言葉すら知りません。「お客様のため」という一心です。夜も寝ずに、接着剤で貼り合わせた不格好な模型を作ってお客様のところへ伺いました。結果的にバランス型風呂釜の外装部全般や接続部品を任され、新入社員だった私が数億円の売り上げを上げることができました。
お客様の困りごとを想像し、どうすれば解決できるのかを考えて工夫する。それだけで仕事はどんどん増えていきます。いつの間にか、「ニシヤマに頼めばなんでもできる」と言っていただけるようになりました。
企業生命の源は、新商品の開発や提案力が全てだと言っても良いと思います。いま、ニシヤマのみなさんに期待するのは、「温故知新」ではなく、「温故創新」の精神です。過去を学び新しく創り出す。「つくる」とは、単にものを作ることだけではなく、新しい価値を生み出すことです。
ニシヤマには、自分の裁量で自由にビジネスをできる環境があります。一人ひとりが、自分の店を持つ感覚で仕事をしている。言われたことをこなすだけでなく、自分で考え、創造し、会社とともに成長する。みんな、その重なりにやりがいと生きがいを感じているのではないでしょうか。

私がニシヤマで働いている60年ほどの歳月には、大変なことも何度かありました。
1970年代に発生したオイルショックでは、私たちの業界でもさまざまな製品の仕入れが難しくなりました。「値段が上がって高く売れるから、いったん在庫を隠せ」と対応していた同業他社もありましたが、私たちは正直に対応しました。トップの方針は、「お客様のために、あらゆる手段で探しなさい」。材料をかき集め、なんとか供給を続けました。
うまく立ち回ろうと思えば、できたと思います。しかし、私たちは瞬間的に儲けることより、嘘をつかずに誠実であることを重んじてきました。それがお客様からの信頼の1つになっているのだと思います。
どんなに厳しい状況でも、お客様のためにやり抜き、信頼を築く。だからこそ、ニシヤマは110年続いてこられたのだと思います。担当者が変わっても「君の会社は立派だった。前の担当者はこんなことに協力してくれた。嘘をついてなかった。今やっとわかったよ」とお客様から言ってもらえる。「お客様の困りごとを解決する」という姿勢が、今でも会社の基本理念として根本になっています。
ニシヤマでは、企画から設計、製造、品質管理、商品出荷、アフターサービスまで、すべてをこなさなければなりません。ユーザーさんの代わりになって、1から10までを行うことは、本当に大変です。そのために必要な価値観は、「基本理念を基にした志・倫理観・使命感を大切にできる人間力」だと思っています。己のことを考える前に、まずは相手のことを考える。困ったときこそ、人や企業の価値が問われます。
ニシヤマには400人以上の社員がいますが、会社が大きくなってもこの価値観は変わっていません。うまくいっているときは、誰でも前に進むことができますが、苦しい時こそ逃げずに最後まで踏ん張る姿勢こそが会社の存在価値を高めるでしょう。

時代を先取りするために欠かせないのが、徹底したマーケティングです。私は、マーケティング力が企業生命を左右すると思っています。
ニシヤマのマーケティングの特徴は、「自分の足で確かめること」。現場でお客様と直接話し、悩みを聞く。自分の足で、目で、感覚で確かめてこそ、確信と見通しを持つことができます。お金をかければ立派な調査結果が出ますが、実際には役に立たないことも多くありました。インターネット上の調査データだけでは、本当の課題は見えてきません。
ニシヤマは、常にユーザーのニーズを先取りしてきたと思っています。お客様が今困っていることだけではなく、「これから困りそうなこと」も早すぎず、遅すぎず、タイムリーに捉えることが何より重要です。
そのために必要なのが、社員同士の「掛け算」です。部品と部品を組み合わせると新しい機能が生まれるように、違った人の考え方を交差させることで、新しい発想が生まれます。一人より二人、二人より三人。その掛け算の繰り返しが、会社の歴史になっていきます。
効果的な掛け算は、「会話」から生まれます。そして、連帯意識がなければ本質的な会話をすることはできません。自分だけの成果を追うのではなく、「みんなであの山に登ろう」と、チームで戦う。これこそ、ニシヤマの一番大切な文化です。
私は2011年に「事業部制」という仕組みを提案しました。ニシヤマが成長し、よりお客様に貢献するためには、総力戦で挑まなければなりません。チームワークを醸成するためには、個人同士の競争ではなく「事業をチームで育てる」という考え方が必要です。個人単位ではなく、事業単位の成果で評価する。この仕組みが、今の会社の成長を支えています。
今後10年、20年を見据えると、お客様のニーズはますます多様化・高度化していくでしょう。現在は、お客様側の人員がカットされており、一人当たりの負担が増えています。そのため、以前には考えられなかったような、高度なことを求められるようになっています。
そこで「任せてください」と言えるような会社でなければなりません。特に、グローバル化に伴うユーザーニーズの変化が一段と高まっております。我々のビジネスには、①スピード ②オリジナリティ ③フレキシビリティ ④タフネス ⑤フェアネス 等のキーワードを意識したビジネス体制の構築が大切だと思います。社員一人ひとりの得意分野や経験をどう掛け算するか。それを考え、新しいビジネスを創り出していくことが大切です。
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