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設備や機械を安定的に稼働させるためには、故障してから対応する「事後保全」ではなく、異常を早期に察知して対策を取る仕組みや取り組みが欠かせません。そこで重要になるのが「状態監視保全」です。
今回の記事では、状態監視保全の定義や、予知保全との違い、方法・具体例などを解説します。状態監視保全について知りたい方や、取り組みをお考えの場合にはぜひ参考にしてください。
目次
状態監視保全(Condition Based Maintenance)とは、設備や機械の稼働状態を監視し、異常の兆候や劣化の進行を把握したうえで、必要なタイミングで保全(メンテナンス)を行う手法です。振動、温度、圧力など、様々なセンサーや計測データを用いて機器・設備の状態を把握し、基準値と比較して異常を検知します。
「一定期間ごとに点検・交換する」といった時間基準の保全ではなく、実際の状態に応じて保全を行うのが特徴です。それにより、まだ使える部品を早期に交換してしまうような無駄を省き、故障の兆候も早期に発見することができます。
状態監視保全と似た言葉に「予知保全(Predictive Maintenance)」があります。両者の大きな違いは、保全の判断根拠と活用するデータの範囲にあります。
状態監視保全は、あくまで「現在の状態を監視して異常を発見する」ことが目的で、振動や温度などの測定値をもとにメンテナンスを実施します。一方、予知保全は様々なデータを用いて将来の故障を予測し、故障前にメンテナンスを行う手法です。
つまり、状態監視保全が「今の状態を基に保全を判断する」のに対し、予知保全は「将来の状態を予測して保全をする」という点で違いがあります。

状態監視保全の主な方法や具体例などを紹介します。
モーターやポンプ、ファンなどの回転機器における異常検知などに用いられる方法です。センサーで機械の振動波形を測定し、回転数や周波数の変化から、軸のずれ、アンバランス、摩耗、ベアリングの劣化などを特定します。それにより、故障の初期段階で兆候をつかみ、重大なトラブルを未然に防ぐことが可能です。
設備の発熱傾向を継続的に観測する手法です。モーター、配電盤、ベアリングなどに温度センサーを設置し、通常時との温度差を比較します。異常な上昇が確認された場合、摩擦や絶縁劣化、過負荷などの問題が生じている可能性があります。
赤外線サーモグラフィーを活用すれば、稼働中の設備でも非接触で温度分布を可視化でき、安全かつ効率的な監視が可能です。簡易導入できることから、多くの工場で基本的な監視手法として採用されています。
設備の電気的負荷や動作状態を把握する方法です。モーターやコンプレッサーなどの消費電力を常時測定し、通常運転時との偏差を分析することで、過負荷運転や接触不良、絶縁異常などを検知します。
電気的パラメータは機械の状態を示す重要な指標であり、振動や温度と併用することで、より正確な診断が可能になります。IoT化により、複数設備をまとめて監視・管理する仕組みも一般化しています。
近年では、IoTセンサーとAI解析技術を組み合わせた遠隔監視も普及しています。機械の振動・温度・電流などのデータをリアルタイムでクラウドに送信し、AIが異常傾向を自動判定。人の経験に頼らず、早期警告や予知的なメンテナンス計画を立てることができます。
それにより、現場作業員の負担軽減や保全コストの最適化が実現できます。特に生産設備が分散する大規模工場やインフラ設備では、安全性・効率性の両面で大きなメリットがあります。

状態監視保全の実現には、設備の状態を高精度で把握するための技術や機器が欠かせません。
ここでは、弊社が取り扱っている製品・システムを紹介します。
曲がりの多い小口径配管の内部を可視化できる画期的な製品です。特許取得済の通過(通線)技術により、25A以上の配管で8曲程度までの通過が可能(※試験環境による)。
その技術を応用して開発された管内カメラは、都市ガスなどの小口径配管点検に活用されています。カメラケーブルは5m/12mの2種類で、特注サイズにも対応可能。挿入補助装置や漏洩封止装置などのオプションもあります。
製造業や生産現場などでの設備劣化・故障を可視化できる状態監視技術です。機械や電気設備の表面温度を非接触で測定し、異常な発熱やエネルギーロスを検出することで、劣化や不具合を早期に発見できます。
特に分解が困難な機械や電気設備の診断に有効で、異常箇所を迅速に特定できます。赤外線による状態監視保全を導入することで、生産ラインの稼働率維持とトラブル予防、さらに過剰な設備投資の抑制が期待できます。
ガス事業者11社とBraveridgeが共同開発し、日本ガス協会の2023年度技術大賞を受賞した革新的システムです。センサーで取得した露点温度と圧力値を事務所のPCからリアルタイムで遠隔監視でき、差水発生時の原因分析や発生箇所特定に役立ちます。
通信ユニットとセンサーユニットは脱着式で、用途に応じて他のセンサーに交換可能。現場作業者の負担を軽減しつつ、ガス法定圧力測定業務としても運用できる高い汎用性があります。
状態監視保全とは、設備の振動や温度、電流などを常時監視し、異常の兆候を把握して適切なタイミングでメンテナンスを行う手法です。無駄な点検や突発的な故障を防ぎ、効率的な運用が可能になります。
IoTやAI技術の発展により、遠隔での監視やデータ解析も可能になっており、より高度な予防保全へと進化しています。コスト削減や効率性の向上を目指す企業にとって、今後ますます重要となる保全手法といえるでしょう。
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