110周年の歴史の中で磨き上げられたニシヤマの強み 「できるかどうか」ではなく「応える方法」を考える

110周年の歴史の中で磨き上げられたニシヤマの強み 「できるかどうか」ではなく「応える方法」を考える

2026年、ニシヤマは創業110周年という大きな節目を迎えます。ゴム製品を扱う商店として事業をスタートした当時、日本経済は、生糸や綿製品の輸出増加などを背景に活性化していました。産業の近代化も進み、都市部を中心に工業化の動きが加速し始めていた時期でもあります。

そこから社会や産業の変化が進むなか、ニシヤマは金属、装置、ITと事業の幅を広げてきました。110年という歴史の中で変化を重ねながらも変わらないのは、お客様の期待に真正面から向き合う姿勢。お客様の「これもできないか?」を聞くたびに進化してきたのです。

時代に合わせて形を変えながら、価値を生み続けるためにはどうすればいいのか。代表・西山正晃へのインタビューから、ニシヤマの成長を支えてきた思考と企業風土を紐解きます。

 

ずっとお客様の声に応え続けてきた

多角化への一歩は、お客様の声がきっかけです。

ニシヤマは、1916年にゴム商店としてスタートし、ゴム長靴やゴム手袋といった製品を販売していました。そんな中、お客様から「手袋や長靴だけではなく、ネジなどの金属製品も持ってきてくれないか」というご要望をいただいたんです。それに応える形で、さまざまな商品を仕入れて販売するようになりました。現在では金属、装置、さらにはITやDX分野まで対応するようになりました。

お客様のニーズは、時代の変化をダイレクトに反映したものです。それに対応することは、時代の変化にも対応することです。

一方で、創業から110年経った今も変わらない部分もあります。それは「お客様のご要望にお応えする」という信念です。扱う商品や分野は広がり、変化してきましたが、お客様の声に耳を傾ける姿勢は、これからも変わりません。

お客様とともに最先端を追い、新しいものを手探りで形にしていく。その挑戦が、ニシヤマの事業の幅を広げていきました。事業の幅を広げたことで磨かれたノウハウによって、当社では数々の特許も取得しています。

こうした取り組みを続ける中で、私たちは単に「モノを右から左に流す会社」ではなく、商社として柔軟に形を変えながら、お客様のニーズに沿った商品を提供していきたいと考えています。

お客様の「最適」を追求する哲学

当社の営業は、基本的にはお客様からのご依頼は断りません。難しそうなことも「確認してみます」と一旦持ち帰る。そして社内で悩む。お客様からの何気ない問いかけがきっかけで、「これまで扱っていなかったが、やってみよう」という新たな取り組みが生まれることも少なくありません。

私たちは活動方針を「“Best Matching”お客様の“最適”をお届けします」と掲げています。お客様”へ”でもなければ、お客様”に”でもない。お客様にとってのベストを考え抜き、お客様”の”最適を提供します。

これが私たちの目的であり、真骨頂でもあると考えています。「まさにこれが欲しかった」と、お客様が喜んでくださるものを作ってお届けする。そのために、お客様のところへ足を運び、何を求めているかを聞き出し、探り出します。

例えば、ある機械が欲しいとお客様に言われた際に、「本当にそれだけで良いのでしょうか?」と問いかけるんです。そうすると、さらに別の機能を求めていたり、逆に現在使っている機械の中に不要な部分があることがわかることがあります。そうした本当のニーズを丁寧に聞き出し、お客様にとって最も適した形をお届けする。ベストなマッチングの商品をお届けすることが、私たちの仕事だと考えています。

幅広いご要望にお応えし続けてきた結果、お客様によっては、ニシヤマのことを、ゴム会社ではなく、まったく違う分野の仕事をしている会社だと認識されていることもあります。なかには、文房具屋だと思われていたこともありました。これもお客様の課題を解決することを最優先にしてきた結果であり、商社としては喜ばしいことです。

関わるすべての人と「信頼」の関係性をつくる

お客様の話を深く聞き、ニーズを引き出す。それを繰り返すことで深い信頼関係を築くことができ、さらに深い本心を伺えるようになります。

また、お客様だけでなく、ものづくりを支えてくださるメーカーやサプライヤーの皆様との関係性も同じくらい重要です。どれほどお客様からご要望があっても、作る側に「ニシヤマの頼みなら」と思ってもらえなければ仕事は成り立ちません。関わるすべての人に「ニシヤマと組んでよかった」と思っていただける関係を築くことが、私たちの理想です。

加えて、スピーディーな情報共有も重要です。多くの情報が駆け巡る現代だからこそ、その真偽を見極める力も問われます。正確な情報をお客様や取引先に共有し続けることで、日々の信頼を積み重ねていくことができます。

こうした地道な取り組みが、結果として強固なネットワークを生んでいるのだと感じます。その姿勢は、一朝一夕で身につくものではありません。ニシヤマでは、先輩から後輩へ、現場を通じてその精神が受け継がれています。

最近ニシヤマでは新卒採用が増えていますが、入社後1年間は担当を持たせません。先輩の営業に同行し、お客様や仕入れ先を回りながら、仕事の進め方や社会人としての基礎を徹底的に学びます。現場で「仕事とは何か」「どのようにお客様に貢献し、対価をいただくのか」を肌で感じるこの期間が、各社員が持つニシヤマのイメージを形作っていくのだと思います。

信頼関係ができてくると、良い話ばかりでなく、ときには厳しい情報も入ってくるようになります。例えば、メーカーさんの事業承継の問題や、会社の倒産といった話です。本来、こうしたネガティブな情報は外に出にくいものですが、それをいかに早く察知できるかが、リスクを回避し、お客様を守ることにつながります。 お互いにメリットがある関係だからこそ、耳の痛い話も含めて共有し合える。そんな強固なパイプを、次の世代にもさらに強化していってほしいと願っています。

ネットを超えた価値はどこから生まれるのか

ニシヤマが目指しているのは、お客様から「困ったときに一番に電話がかかってくる相手(ファーストコール・カンパニー)」であることです。

今の時代、何かあればまずネットで検索しますよね。しかし、私たちが提供しているのは「ネットで調べても出てこない解決策」です。お客様が散々探しても見つからず、困り果てた末に相談してくださる。その期待に応え続けることで、確実にお客様からの信頼が生まれます。

この「御用聞き」としての関係性は、海外にも広がっています。以前、新型コロナ禍で世界的に電子部品が不足してしまったことがありました。お客様は大変困っておられたのですが、「困ったことがあれば、何でもニシヤマに相談してください」という当社の言葉を思い出して、ご連絡をくださったんです。

そこで、日本にいた担当者が海外を含めた全社に呼びかけ、アメリカで在庫を確保し、すぐに手配することができました。お客様の工場はラインが止まる寸前。大きな損害が出る可能性がありましたが、早急に対応できたことで、回避することができました。

仕事にトラブルは付きものですが、私はそれを決してネガティブに捉えません。トラブルが起きると、まず「誰が悪いのか」という犯人探しをしてしまいがちです。しかし、それでは解決になりません。まずは「なぜ起きたのか」「どう解決できるか」を考えます。

そうすることで、担当者も、前向きに解決策を考えられるようになります。私自身も指示を出す際は、聞いた話をそのまま鵜呑みにしないよう気をつけています。一度立ち止まって「本当にそうなのか?」とよく考え、本質を見極めた上で判断を下す。これは、経営を担う上でも大切にしている姿勢です。

これまでも、これからも、お客様にとっての「最適」を届け続ける。そして、もし当社が厳しい状況に陥ったときには、お客様から「ニシヤマがなくなっては困る」と手を差し伸べていただけるような関係を築いていく。そのためには、より一層、お客様にとってなくてはならない会社になっていきたいと考えています。

 

 

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