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2024年8月、ニシヤマは本社敷地内に自家消費型太陽光発電システムと電気自動車(EV)の充電器を導入。ほかにもさまざまな環境保全活動を推進し、SDGs商品の販売も行っています。社会貢献を果たしながら、新たなビジネスチャンスを創出する。お客様への価値提供が、社会を良くすることにもつながる。そのために、ニシヤマでは社員の意識改革を進め、パートナー企業と協力しながら、新しい事業価値を生み出しています。そんな新しい挑戦について、担当者に語っていただきました。
目次
大山 2024年8月、本社の屋上にPVと呼ばれる太陽光発電システムを設置しました。39枚のソーラーパネル、発電装置、発電した電気を蓄電する装置があり、発電量は年間2万kWh程度です。現在のニシヤマ全社の電気使用量は年間で約85万kWhですので、使用量の3%弱を賄っていることになります。本社のエントランスホールにあるシステム画面で現在の発電量を表示し、来社したお客様にひと目でニシヤマの取り組みを知ってもらえるようにしています。
EV充電器は、電気自動車を充電するための機器です。まず、充電速度は緩やかなものの導入コストの安い普通充電器を2台導入しました。そのうち1台は、災害時や停電時に本社に電気を供給できる仕組みになっています。
2024年10月には、急速充電器を1台設置しました。急速充電器は普通充電器に比べて充電スピードが圧倒的に早く、また1台で同時に車2台の充電ができ、普通充電器と合わせて4台の充電を賄うことができるようになりました。
現在、営業車両は全社で54台あり、そのうちの6台はガソリン車、2台が電気自動車、残りはハイブリッド車です。弊社の中期経営計画では、2025年までに電気自動車を10台にするという目標を掲げています。
日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目標に掲げました。また、東京都からも2030年までに販売する自動車をすべて非ガソリン車にする方針が打ち出されました。ニシヤマとしても、CO2排出量を2030年度迄に2013年度対比で50%削減する目標を立てており、今回の取り組みも、その対応への一環です。
佐藤 これらは、自社で導入するだけではなく、ニシヤマの商品として設置・販売しています。10年程前からソーラーパネルの販売を行っており、その中でお客様のニーズがパワーコンディショナー(発電された電気を使用できるように変換する機器)やEV充電設備などにもあることがわかりました。そこで、自家消費PVとEV充電器をセットにして販売することにしました。
佐藤 近年、ヨーロッパや北米の環境規制が厳しくなってきています。例えば化学物質、冷媒ガスなど、我々がずっと扱っていた製品が輸出できなくなり、お客様にも影響が出てきている状況です。こうした規制に対処するため、新しい材料の開発に取り組んでいます。
川邉 社内化学物質管理体制の強化を目指して、2024年4月から営業技術部内に環境チームを発足させ、具体的に動き始めました。化学物質に関する専門性を高め、お客様からのグリーン調達遵守の要請に対応できる体制作りに取組んでいます。
佐藤 環境問題解決にアプローチできる技術を持った他社と組むことによって、今までできなかったことができるようになったという側面もあります。
例えば、工場などに設置されている大きな電池のリサイクル事業です。今までは劣化したら捨てられていたものですが、それを再利用できるようにします。弊社はリサイクル技術を持った会社と共同で営業活動をしています。
また、アークサンド(人工砂)といって、ごみなどを燃やした際に出る灰を土として使う技術があります。例えば、高速道路の脇の土をアークサンドにすると雑草が生えてこなくなります。さらに、ガスメーターを分解して、それぞれのパーツごとにリサイクルするといった事業にも挑戦しています。
川邉 社内では、家庭で余った食材を集めて、地方公共団体に寄付をするフードドライブを全拠点で行っています。ほかには、ペットボトルのキャップのリサイクルに取り組んでいます。今年の9月20日には、国連が定める国際デーであるWorld Cleanup Dayに初めて参加しました。近隣のごみ拾いのイベントで、全社で75人ほどが集まりました。
大山 自家消費PVとEV充電器の稼働日に開催した説明会とお披露目会には非常に多くの社員が参加し、メーカーさんから詳しい説明を受け活発に質疑応答を行いました。それからは、営業社員がお客様を連れてきて商品の説明をすることが増えています。いまではSDGsに関する展示会などで自主的に情報を集めて、お客様にニーズがありそうなものについて議論しています。
佐藤 3年前に、さまざまな部門のマネージャーが集められ、役員から「ニシヤマとしてSDGsを推進してほしい。SDGs検討チームを発足させて、私たちに対して提案をしてくれないか」と言われました。集められたマネージャー陣でニシヤマのSDGsのベースとなることを目標として、SDGsの取組方針の叩き台を作りました。
川邉 2022年4月にCSR推進室が、現在のCSR・SDGs推進室という名前に変更となり、新たに社内を横断する若手からベテランが集まるSDGs推進チームを作りました。
トップダウンで進める取り組みと、社員の草の根からの発想に基づく取り組みとが相まって、社員の意識が徐々に高まってきているものと感じています。
川邉 お客様からは、日々CSR・SDGsの観点からさまざまな要望が寄せられます。個々のお客様の要望に真摯に対応していくことは重要です。それにも増してニシヤマとして、自ら考えて、社会課題に対して何ができるのか、積極的にやれることから着実にやっていこう。我々の取り組みはこうした起点から始まりました。
加えて、サプライチェーン全体でSDGsに取り組んでいこうとする大きな流れがあります。お客様にSDGsに取り組んでいるところを示していかないといけません。そうしなければ、サプライチェーンに留まることができなくなる可能性があります。
我々がビジネスの世界で生き残るために何をしたらいいのか。SDGsへの取り組みもその一環です。引き続き、ニシヤマは、企業と経済社会の持続的成長を求めて、行動して参ります。
大山 SDGsへの取り組みは、「ニシヤマってこんなこともやっているんだ」というPRにもなりますし、自社で実際に機器を設置することで商品を社員やお客様により知ってもらうこともできると思います。
社会貢献というと壮大なことをイメージしますが、身近な取り組みもあります。とにかくできることからどんどん積み上げていく姿勢でいきたいと思います。そうして実績を積み上げ、地域の皆さまに貢献できるようになることを願っています。
大山 弊社のホームページでは、「01社会、環境問題へ配慮した企業活動」「02自主的な地域・社会に貢献する活動」「03安全・健康・幸福・繁栄に配慮した活動」「04公正・透明で社会から信頼される企業活動」という分類で、合計10個のSDGsに関する目標を掲げています。
弊社の取り組みが広まることで、社会から認められたり、ニシヤマという会社を知ってもらえたりする。SDGsは、そういった好循環を継続するための取り組みだと考えています。
川邉 社会貢献を意識した取り組みが、結果的にビジネスにつながってくるということだと思います。
先ほどサプライチェーン全体でSDGsに取り組まないと、取り残されてしまう、といった話をしました。「ニシヤマは自社として社会的な役割をきちんと果たしており、更には同様の意識をもったサプライヤーさんとも取引をしている」と説明できるようにする必要があります。そのために、たくさんのサプライヤーさんとのコミュニケーションを密にしていくことを考えています。
「ニシヤマは、自社の営業活動だけではなく、サプライチェーン全体で社会的な貢献もしっかりと考えている」と思ってもらえたら、我々に対する信頼が高まります。それがビジネスにつながり、会社の更なる発展につながるのだと思います。
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